2017年2月のホームステッドのアップデートで追加された、DPS計測用の「標的用スケルトン」を購入したので、TESOのダメージの計算式がどんな感じなのか試してみました。
こいつはヘルスが3M程度の安い方のやつですが、それでもなかなかヘルスを削り切るのに時間が掛かりますので、バフやデバフなども含めて正確なDPSが計測出来そうです。
ダメージの計算式
TESOのダメージは、よく言われているように1⃣アビリティ固有の基礎ダメージ値、1⃣キャラクターステータスの「呪文ダメージ(マジカアビリティ)」か「武器ダメージ(スタミナアビリティ)」と、3⃣マジカ・スタミナの最大値、が基本になります。
一番簡単に言うと「アビリティの基礎ダメージ×(呪文・武器ダメージ補正%+マジカ・スタミナ補正%)」という表現になります。
さらにここから標的の呪文・物理耐性に応じてダメージが減算されていきます。
因みにアビリティのアイコンにカーソルを合わせるとダメージの目安が表示されますが、これは上記の「アビリティの基礎ダメージ×(呪文・武器ダメージ補正%+マジカ・スタミナ補正%)」が加味された数値となります。
例えばテンプラーのマジカアビリティの「貫通ジャベリン」というアビリティですが、装備全解除で呪文ダメージはムンダスストーンの「167」のみ、マジカが「19305」の状態だと「1732」のダメージとなっています。
これは既に「貫通ジャベリン」の基礎ダメージに対して「167」の呪文ダメージと「19305」のマジカ補正が加味された数値ではありますが、装備で各種数値を上昇させると、この表記が変化します。
目安としてはこのアイコンに記載されるダメージを「呪文・武器ダメージの補正」と「マジカ・スタミナ補正」によって上昇させる事で、実際の与ダメージも上昇して行くと考えて差し支えないでしょう。
ただし、実際のダメージは、MOBの耐性によってこの表記された数値から随分と減算されてしまいます。
MOBの耐性はフィールドで9000、ダンジョン内で18000との情報がありますが正確な数値は分かりません。
「標的用スケルトン」は比較的耐性は高めになっているようで、耐性を無視する「貫通」の数値がゼロの状態だと、ダメージは表記に対して68%しか入りません。
さらに突っ込んでいくとクリティカル率、クリティカルダメージの上昇率などの数値もありますが、最初からあまり複雑に考えても分かりにくくなりますので、最初は「呪文・武器ダメージの補正」と「マジカ・スタミナ補正」についてだけ検証してみました。
最大マジカ・スタミナによるダメージの補正
実験は呪文ダメージ0、マジカ16,869、貫通0の状態から行いました。
最大マジカ | 呪文ダメージ | 呪文貫通 | 実ダメージ |
---|---|---|---|
16,869 | 0 | 0 | 722 |
17,810 | 0 | 0 | 762 |
この場合は最大マジカ941の上昇に対して、ダメージが5.54%上昇しています。
1000であれば5.89%の上昇率となります。(10,000であれば58.9%)
他にも色々なパターンで試してみましたが、この比率は変わらないようです。
呪文・武器ダメージによるダメージの補正
こちらも同様に呪文ダメージ0、マジカ16,869、貫通0の状態から行いました。
最大マジカ | 呪文ダメージ | 呪文貫通 | 実ダメージ |
---|---|---|---|
16,869 | 0 | 0 | 722 |
16,869 | 1096 | 0 | 1213 |
16,869 | 1290 | 0 | 1300 |
この場合には呪文ダメージ1096、1300の上昇に対してダメージはそれぞれ68%、80%上昇しています。
呪文ダメージ100に対する上昇率は、何れのケースでも6.21%となっています。
セット装備による補正の効果の差
セット装備の補正効果は、金装備を基準とした場合マジカ・スタミナ補正が「967」、呪文・武器ダメージ補正が「129」が一つのオプションとして扱われています。
マジカ・スタミナ補正が「967」の場合のダメージ補正の期待値は5.36%、呪文・武器ダメージ補正が「129」の場合のダメージ補正の期待値は8.0%となりますので、DPSを上げたい場合にはセット装備のオプション効果は「呪文・武器ダメージ」補正のついたものが良いでしょう。(既に色々なところで言われてはいますが)
貫通上昇によるダメージアップの効果
呪文・物理耐性は本来あるべきダメージからその数値に応じてダメージを減算する効果があります。
正確な数値は分からないのですが、最大減算率は33100で50%となるとの情報があります。
これに基づくと、耐性1000ごとに1.65%程度ダメージがカットされる計算でしょうか。
因みに「標的用スケルトン」対して、貫通なしだと表記ダメージの68%しか出ないと述べていますが、耐性が18000あればちょうどこの減算率になりますので、概ね数値は合っているかと思います。
ここでは貫通0から2400、4800の状態でテストしてみました。
最大マジカ | 呪文ダメージ | 呪文貫通 | 実ダメージ |
---|---|---|---|
16,869 | 1290 | 0 | 1300 |
16,869 | 1290 | 2400 | 1398 |
16,869 | 1290 | 4800 | 1496 |
16,869 | 1290 | 18000(仮) | 1912(予測) |
※「標的用スケルトン」の呪文耐性を18000と仮定すると、本来あるべき耐性なしのダメージは1912になります。
貫通を18000上げるとダメージが47.1%アップするというイメージですね。
4800だと15.1%の上昇となっています。
因みに貫通をCPで上げる場合、見習いの「呪文浸食」を使用する事になりますが、同じく見習い座の「属性の達人」に50ポイント振り込むと15.6%のダメージアップとなります。
これを「呪文浸食」に振り込んだ場合、呪文貫通は2858しか上がりません。
耐性が18000の標的の場合、貫通を4800上げてようやくダメージが11.5%上昇する程度なので、CPは呪文浸食に振り込んで、貫通は装備で上げた方が良さそうです。
クリティカルダメージを考えた場合
さて、上記では分かり易くする為に敢えてクリティカルについては除いて考えましたが、ここではクリティカル率とクリティカルダメージアップについて考えてみましょう。
クリティカルが発生した際のダメージは、通常の場合標準の1.5倍のダメージとなります。
※パッシブなどで1.6倍などに変動するものもあり。
装備のセット効果によるクリティカル率のアップ
クリティカル率は呪文・武器クリティカルの数値が1000上昇するごとに4.6%程度上昇するようです。(多少の誤差あり)
セット装備の効果としては通常だと金装備で688のクリティカル上昇となっています。
セット効果1つによる、クリティカル率の上昇値は3.1~3.2%になります。
クリティカル率が0%の場合、通常のダメージを1000とした場合1000回の攻撃での合計ダメージは100万となります。
100%の場合にはクリティカルダメージが通常の1.5倍であるならば、150万のダメージが期待出来ます。
セット効果1つでクリティカル率が3.2%であった場合、確率的には32回がクリティカルヒットになりますので、1.6万程度のダメージ増が期待できますが、全体から見れば1.6%程度のダメージ増にしかなりません。
ただし、呪文・武器ダメージとマジカ・スタミナのセット効果は基礎ダメージに上乗せであるのに対して、クリティカルダメージは「呪文・武器ダメージ」と「マジカ・スタミナ」および貫通の補正で算出された最終ダメージに上乗せされるというメリットがあります。
「呪文・武器ダメージ」が1500、「マジカ・スタミナ」が15000である場合のダメージは、アビリティの基礎ダメージ×(100%+「呪文・武器ダメージ補正93.15%」+「マジカ・スタミナ補正88.35%」)で、アビリティの基礎ダメージに281.5%の補正が掛かった状態になります。
この281.5%にセット装備のクリティカル率上昇効果1つ分のダメージ増の期待値1.6%を掛けると、アビリティの基礎ダメージに対して4.5%のダメージ増の効果となります。
セット装備のマジカ・スタミナ補正が「967」の場合のダメージ補正の期待値は5.36%、呪文・武器ダメージ補正が「129」の場合のダメージ補正の期待値は8.0%ですので、この段階ではまだクリティカルではなく、呪文・武器ダメージを上げた方が良いかも知れませんね。
「呪文・武器ダメージ」が2000、「マジカ・スタミナ」が25000である場合は、アビリティの基礎ダメージ×(100%+「呪文・武器ダメージ補正124.2%」+「マジカ・スタミナ補正147.25%」)で、アビリティの基礎ダメージに371.45%の補正が掛かった状態になります。
この371.45%にセット装備のクリティカル率上昇効果1つ分のダメージ増の期待値1.6%を掛けると、アビリティの基礎ダメージに対して5.9%のダメージ増の効果となります。
この状態だとセット装備のマジカ・スタミナ「+967」のダメージ補正の期待値である5.36%を上回りますが、呪文・武器ダメージ「+129」のダメージ補正の期待値である8.0%には及びません。
「呪文・武器ダメージ」が2200、「マジカ・スタミナ」が35000である場合は、アビリティの基礎ダメージ×(100%+「呪文・武器ダメージ補正136.62%」+「マジカ・スタミナ補正206.15%」)で、アビリティの基礎ダメージに442.77%の補正が掛かった状態になります。
この442.77%にセット装備のクリティカル率上昇効果1つ分のダメージ増の期待値1.6%を掛けると、アビリティの基礎ダメージに対して7.08%のダメージ増の効果となります。
この状態でもセット装備のマジカ・スタミナ「+967」のダメージ補正の期待値である5.36%を上回りますが、呪文・武器ダメージ「+129」のダメージ補正の期待値である8.0%には及びません。
実際に検証していないので間違っているかも知れませんが、とりあえずひたすら呪文ダメージを上げ続けてどこかのタイミングでクリティカルを入れて実験してみるしかないですね。
おそらく…ですが、バフ込みで「呪文・武器ダメージ」が2200~程度の状態で、バフやムンダスストーンのクリティアルダメージをアップさせる恩恵があれば、これ以上は「呪文・武器ダメージ」よりもクリティカル率に振った方が良いのではないかと感じます。
因みにデフォルトはクリティカルダメージが通常の150%となっていますが、ムンダスストーンやパッシブ、バフでクリダメ70%アップの状況も作り出せるようですので、クリティカルダメージを上げた状態では「呪文・武器ダメージ」を下げてもクリティカル率アップを狙った方が良いかも知れません。
「呪文・武器ダメージ」と「クリティカル率」のDPSを実験してみた
上記の考え方によると「呪文・武器ダメージ」が2800~3000程度からクリティカルを上げた方がDPSが上がる事になります。
バフやセット装備の補正があれば一時的に「呪文・武器ダメージ」3000オーバーは可能ですので、試しに呪文ダメージ3,025でクリティカル率45.0%と、呪文ダメージ2,715でクリティカル率58.3%の状態でのDPSを「標的用スケルトン」を使用して比較してみました。
使用した装備は、クリティカル特化の「母の悲しみ」+呪文ダメージ特化の「魂の輝き」と、+呪文ダメージ特化の「武術知識の道」+呪文ダメージ特化の「魂の輝き」という2つの組み合わせになります。
攻撃に使用したアビリティは、テンプラーのクラスアビリティのダークフレアです。
「標的用スケルトン」の体力を50%まで削って計測したのですが、属性ドレインと構造乱雑を切らさずに、ついでにマジカ不足の対策としてチャネルフォーカスを随時入れながらダークフレアを連打し続けるという方法です。
どちらの組み合わせも、料理込みで最大マジカは32,000程度です。
その他の数値は以下の通りとなります。
セット組み合わせ | 母の悲しみ+魂の輝き | 武術知識の道+魂の輝き |
---|---|---|
タイプ | バランス型 | 呪文ダメージ特化 |
基本呪文ダメージ | 1,825 | 2,073 |
バフ込み呪文ダメージ | 2,281 | 2,591 |
セット効果込み呪文ダメージ | 2,715 | 3,025 |
クリティカル率 | 58.3% | 45.0% |
クリティカルダメージ上昇 | 10% | 10% |
因みにクリティカルダメージ上昇は、エドラの槍のパッシブアビリティによるもので本来のクリティカルダメージは150%のところ、10%増しで160%になっています。
因みに「基本呪文ダメージ」の中にはムンダスストーンの「見習い座」で上昇している分の244が含まれています。
さらにそこからバフによって1000程度「呪文ダメージ」が上がっていますが、内訳は以下の通りです。
・テンプラークラスアビリティの「暁の憤怒」のパッシブで5%プラス
・魔術師ギルドスキルラインの「構造乱雑」で20%プラス
・魂の輝きのセット効果で434プラス
結果は以下の表の通りとなりました。
セット組み合わせ | 母の悲しみ+魂の輝き | 武術知識の道+魂の輝き |
---|---|---|
タイプ | バランス型 | 呪文ダメージ特化 |
1回目 | 12.6K | 13.5K |
2回目 | 12.7K | 13.7K |
3回目 | 13.2K | 13.7K |
平均値 | 12.8K | 13.6K |
DPSの差は6.25%で呪文ダメージ特化の「武術知識の道」+「魂の輝き」の組み合わせの方がDPSが高かったのですが、「武術知識の道」の5セット目の効果には4秒ごとに10%のダメージを追加するという物があります。
ダークフレアは詠唱時間が1.1秒ですので、4回に1度はダメージが10%割増となっており、全体から見ると2.5%のダメージ増の効果になります。
従って純粋にクリティカル率と呪文ダメージの数値の間でのDPSの差は、3.75%程度と言ったところになります。
ムンダスストーンをクリティカルダメージ増加に変更したら?
次にムンダスストーンを呪文ダメージアップの「見習い座」から、クリティカルダメージアップの「影座」に変更して実験してみました。
それぞれのステータスは以下の通りです。
セット組み合わせ | 母の悲しみ+魂の輝き | 武術知識の道+魂の輝き |
---|---|---|
タイプ | バランス型 | 呪文ダメージ特化 |
基本呪文ダメージ | 1,581 | 1,829 |
バフ込み呪文ダメージ | 1,976 | 2,286 |
セット効果込み呪文ダメージ | 2,410 | 2,720 |
クリティカル率 | 58.3% | 45.0% |
クリティカルダメージ上昇 | 27% | 27% |
※影座の効果はクリティカルダメージ11%アップですが、防具の神々の効果で+17%の恩恵となり、クラスのパッシブスキル10%と合わせると27%となります。
このケースではなかなか面白い結果となりました。
セット組み合わせ | 母の悲しみ+魂の輝き | 武術知識の道+魂の輝き |
---|---|---|
タイプ | バランス型 | 呪文ダメージ特化 |
1回目 | 14.3K | 14.1K |
2回目 | 14.6K | 14.6K |
3回目 | 15.7K | 15.0K |
平均値 | 14.8K | 14.5K |
2%ほど「母の悲しみ+魂の輝き」のセットの方がDPSが高くなっていますが、先程の「武術知識の道」の5つ目のセット効果のダメージ増分である2.5%を加味すると、その差は4.5%に広がります。
セット装備を考える上では、ある程度の「呪文・武器ダメージ」を確保したら、「クリティカルダメージ」と「クリティカル率」に振った方が良いようですね。
クリティカルダメージUP | 150% | 160% | 170% | 180% |
---|---|---|---|---|
クリティカル率 | 期待ダメージ | 期待ダメージ | 期待ダメージ | 期待ダメージ |
0% | 100% | 100% | 100% | 100% |
10% | 105% | 106% | 107% | 108% |
20% | 110% | 112% | 114% | 116% |
30% | 115% | 118% | 121% | 124% |
40% | 120% | 124% | 128% | 132% |
50% | 125% | 130% | 135% | 140% |
60% | 130% | 136% | 142% | 148% |
70% | 135% | 142% | 149% | 156% |
80% | 140% | 148% | 156% | 164% |
90% | 145% | 154% | 163% | 172% |
100% | 150% | 160% | 170% | 180% |
今回の実験ではクリティカル率は変更せずに、クリティカルダメージを上げて呪文ダメージを落としていますが、クリティカルダメージ上昇分の効果だけが表れて呪文ダメージ減少分の効果が全くなかった事になっている結果に見えます。
ひょっとすると呪文ダメージは「2400以上はカウントされない」などという設定があるのでしょうか。